死に急ぐこともあるまい

私の好きな漫画のセリフランキングで絶対上位に入ってくるものに、ジョジョの奇妙な冒険
「人間の寿命はどうせ短い。死に急ぐ必要もなかろう」
ってのがあるんですけど。
この発言をしたキャラクター、ワムウはこの時約12000歳。そんな彼からしたら人間の寿命なんて一瞬に過ぎないんですよね。

例えば、ラボードカメレオンってカメレオンがいるんですけど、絶滅危惧種でもあるその種の寿命は約4ヶ月〜半年だそう。だからワムウのこの発言は、私たち人間がそういう生物を見て言うようなもんなんでしょう。
余談ですが、短命の生物っていうとよく挙げられるセミとかは成虫の期間が短いだけなんで違うやつにしました。

話が逸れました。とにかく、人の一生なんて広い目で見ればそんなに長いもんではないんだなと思ったわけです。
しかしながら、苦しく辛い状況に身を置かれている時は、その時間が永遠に続くかのように感じてしまうのですよね。過ぎてみれば一瞬なのですが、体感時間って不思議なものです。
今の地獄が続くなら死んだほうがマシだと、そちらを選んでしまう人もいるのでしょう。
でもそこでちょっと考えたい。
それは、マシじゃなかったらどうしよう…ってこと。

死後の世界を見てきた人ってのはいないんですよ。いや、死から蘇った!みたいな話とか、臨死体験とかは聞くけど。それを信用してないとかじゃなくて、完全に死んだわけじゃないじゃんそれ!死にかけただけじゃん!って思うんですよね。
あとは、天国と地獄があるとして。どの程度で地獄に堕ちるのかわかんなくない…?例えば殺生をしたら、とかだったとしてそれが人間とかだけじゃなくて「はい虫殺したから地獄行きで〜す!」みたいな基準だったらどうしようってなりません?
そこまで酷くなくても、めっちゃ基準厳しいかもしれないし。
実際仏教でいう殺生罪は虫一匹でも殺生は殺生だそうな。
まぁ宗教的な基準では色々あるけどそれはめんどくさいので置いとくとして。
何にしろ、死んだら今よりマシです!って保証はどこにもないわけですよ。

…いや怖くない?めっちゃ怖いじゃん。生きてたほうがなんとかなるんじゃない?だってあの世のことは不確かな情報ばっかりで全然知らないけど、この世のことならまだいくばくかは知ってるもん。
でもまぁ、生は難く死は易しとも言いますからね。うん。辛さや苦しみに耐えて生きるほうが、それから逃げて死んでしまうより難しいのかもしれない。
でも、もっと酷くなる可能性もあるってこと考えたら生きててもいいんじゃない…?って思うわけですよ。

ほっといても明日死んじゃう可能性も大いにあるわけだし。明日死ぬかもしれないのはあなたも私も同じでしょ?ってこれ、うちの母上の名言なのですが。(細かいとこは違うかもしれないけど知らん)
もしかしたら、明日自分を苦しめる元凶のやつらが全員死んじゃうかもしれないし。そんな余裕ないくらいの災害が起こるかもしれないし。死は選択肢の1つではあるけれど何もしなくても勝手にくるし、別にわざわざ選ぶものではないのではないかと、私は思うのです。

苦しんでる原因も学校だったり会社だったり家庭だったり、色々あると思う。
苦しんでるときは、そこから逃げ出すことなんて絶対にできないって思っちゃうんだよね。あるいは、逃げたらもっと不幸になるとか。一種の洗脳状態に近いような感じ。実際どうしようもない状況ってのもあると思うけど…
でも9割くらいは、抜け出すことができる。逃げたってどうにかなる。なるようになる。
どうなるかわかんないけど、そんなもんはやってから考えればいい。

ハリーポッターのハグリッドのセリフでこんなのがあります。「What's comin' will come, an' we'll meet it when it does.」日本語訳版だと、「来るもんは来る。来たときに受けてたちゃええ」ってやつです。
まだ来てもいない未来に怯えてビクビクする必要なんてないのです。そんなもんは来たときに考えましょう。

でもまぁ、やっぱどーーーーしても辛くて苦しくてどうしようもない時ってあるよね。